アメリカで生活を始めると、必ずと言っていいほど耳にするのが「Social Security Number(SSN)」です。
就職、税金、銀行、クレジットカードなど、アメリカで生活しているとさまざまな場面でSSNについて聞かれます。
しかし、日本からアメリカにお越しになったばかりの方にとっては「そもそもSSNって何?」「日本のマイナンバーと同じ?」「誰でも取得できるの?」と分からないことも多いでしょう。
私自身も2000年にH-1Bビザでアメリカに渡り、Social Security Administration(SSA/社会保障局)のオフィスでSSNを取得しました。
この記事では、これからアメリカ生活を始める日本人向けに、SSNの基本から取得方法、取得後の注意点まで順番に解説します。
SSN(Social Security Number)とは?
SSNとは「Social Security Number」の略で、Social Security Administration(SSA)が発行する9桁の固有番号です。
もともとは、働いて得た収入を記録し、Social Securityの給付などにつなげるために使われる番号ですが、現在では税務、就職、銀行やローンなど、さまざまな場面で利用されています。
アメリカ市民だけに発行される番号ではありません。一定の条件を満たした外国人にも発行されます。
SSNは何に使うの?
SSNはアメリカ生活のさまざまな場面で使用されます。
就職・給与の記録
アメリカで合法的に働く場合、SSNは非常に重要です。雇用主はSSNなどを使って従業員の所得を政府に報告します。
税金
SSNを持っている人の場合、連邦所得税の申告などでも納税者番号としてSSNが使用されます。
銀行・ローンなど
銀行口座の開設やローンの申し込みなどでSSNを求められることがあります。
ただし「SSNがなければ絶対に銀行口座を開設できない」という意味ではありません。
金融機関や商品、申込者の状況によって必要書類や条件は異なります。
クレジットカード・信用履歴
クレジットカードやローンなどの申し込みでも、本人確認や信用情報との照合のためSSNが使われることがあります。
ここで覚えておきたいのは、SSNを取得しただけでクレジットスコアが高くなるわけではないということです。
クレジットカードやローンなどの利用・返済履歴を積み重ねることでCredit History(信用履歴)が形成され、それをもとにクレジットスコアが計算されていきます。
クレジットスコアに関しては改めて詳しくご説明します。
外国人でもSSNを取得できる?
外国人だからSSNを取得できない、というわけではありません。
原則として、Department of Homeland Security(DHS)からアメリカ国内で働く許可を得ている非市民はSSNを申請できます。
一方、就労許可を持っていない場合でも、連邦法などによってSSNを必要とする正当な非就労目的がある場合など、一部例外があります。
また、SSNを取得する資格がなくてもアメリカで税務申告が必要な人については、IRSが発行するITIN(Individual Taxpayer Identification Number)が利用される場合があります。
SSNカードには種類がある
実はSocial Security Cardには大きく3種類あります。
・就労制限の記載がないカード
・「VALID FOR WORK ONLY WITH DHS AUTHORIZATION」と記載されたカード
・「NOT VALID FOR EMPLOYMENT」と記載されたカード
たとえば、一時的な就労資格を持つ外国人には「VALID FOR WORK ONLY WITH DHS AUTHORIZATION」と記載されたカードが発行される場合があります。
そのため、「SSNを持っている=無条件でアメリカで働ける」という意味ではありません。
【体験談】私がH-1BビザでSSNを取得したとき
私がSSNを取得したのは2000年です。
当時、私はH-1Bビザでアメリカに渡りました。現在のようにオンラインで手続きを始める仕組みではなく、必要な書類を持ってSocial Security Administrationのオフィスへ自ら出向いて直接申請しました。
25年以上も前の話でおぼろげな記憶ですが、渡米後初めてアメリカで公的な手続きをするということでかなり身構えて申請をしに行った気がします。
私の場合は特に大きなトラブルもなく、手続き自体はスムーズに進みました。
今振り返ると、SSN取得はその後のアメリカ生活における「お金の基盤」を作る最初の一歩だったと思います。
ただし、これはあくまで2000年当時の私自身の経験です。申請方法や必要書類などは現在とは異なりますので、これから取得する方は必ず最新のSSA公式情報を確認してください。
2026年現在のSSN申請方法
現在、アメリカ国内から初めてSSNを申請する場合は、下記SSA(Social Security Administration)のウェブサイトから申請手続きを開始できます。
オンライン申請後、必要に応じてSocial Security Officeなどを訪問し、必要書類を提示して手続きを完了します。
必要書類は申請者の移民ステータスなどによって異なります。
外国人の場合、I-551(Permanent Resident Card)、I-766(Employment Authorization Document)、I-94や有効な外国パスポートの入国記録などが対象になる場合があります。
また、F-1・M-1学生ではI-20、J-1・J-2ではDS-2019など追加書類が必要になるケースがあります。
SSAによると、申請が承認された後は通常5~10営業日程度でSocial Security Cardが郵送されます。
SSNとITINは何が違う?
SSNと混同されやすいものにITINがあります。
ITINは「Individual Taxpayer Identification Number」の略で、SSNを取得する資格がないものの、アメリカで税務上の番号を必要とする人などにIRSが発行する番号です。
重要なのは、ITINは就労許可を与える番号ではないという点です。
SSNとITINはどちらも税務で使われる場合がありますが、目的も資格要件も異なります。
日本のマイナンバーとSSNは同じ?
日本人にSSNを説明するとき、「アメリカ版マイナンバー」と表現されることがあります。
イメージをつかむための説明としては分かりやすいのですが、両者は同じ制度ではありません。
SSNはもともとSocial Security制度における所得記録などを管理するために作られた番号で、その後、税務や金融など幅広い分野で利用されるようになりました。
したがって、「SSN=アメリカのマイナンバー」と完全に同一視するよりも、「アメリカで働き、お金に関するさまざまな手続きをする際に重要になる個人番号」と理解しておく方が正確です。
SSN取得後に必ず気をつけたいこと
SSNを取得したら、カードの管理には十分注意してください。
SSAはSocial Security Cardを日常的に持ち歩かず、安全な場所に保管することを推奨しています。
・SSNカードを普段から財布に入れて持ち歩かない
・必要のない相手にはSSNを教えない
・SSNを求められたら、なぜ必要なのかを確認する
・電話やメールで突然SSNを要求された場合は特に注意する
・SSNが記載された書類も安易に持ち歩かない
SSNが盗まれると、自分の名前でクレジットカードやローンなどを申し込まれるIdentity Theft(なりすまし)の被害につながる可能性があります。
「大切だから常にカードを財布に入れておく」のではなく、「大切だからこそ普段は持ち歩かない」というのが基本です。
SSNを取得したら次は何をする?
SSN取得はゴールではありません。
アメリカで長く生活するのであれば、その次に理解しておきたいのがCredit History(信用履歴)とCredit Score(クレジットスコア)です。
SSNを取得した後、適切にクレジットカードなどを利用し、期限どおりに支払いを続けることで信用履歴を積み上げていきます。
この信用履歴は、将来的にクレジットカードを作ったり、自動車ローンや住宅ローンなどを利用したりする際にも重要になってきます。
まとめ
上記の通りSSNは、アメリカで働き、税金を納め、さまざまな金融サービスを利用していくうえで非常に重要な9桁の番号です。
特にアメリカで長く生活する方にとって、SSNの取得はクレジットカードやローンなどに関わる「信用履歴(クレジットヒストリー)」を築いていく第一歩にもなります。
一方で、SSNは非常に重要な個人情報です。むやみに他人へ教えたり、Social Security Cardを日常的に持ち歩いたりせず、大切に管理しましょう。
これからSSNを取得する方は、必ずSocial Security Administration(SSA)の公式サイトで最新情報を確認してください。
そしてSSNを取得したら、次に知っておきたいのが**「アメリカのクレジットスコア」**です。
次回は、クレジットスコアとは何なのか、なぜアメリカ生活で重要なのかを、アメリカで新生活を始める方向けに分かりやすく解説します。

Comments are closed