アメリカで長く働いていると、
「日本へ帰国したら、今まで払ったSocial Securityはどうなるの?」
と気になる人も多いと思います。
結論からいうと、条件を満たしていれば、日本へ帰国した後もアメリカのSocial Securityを受け取ることができます。
アメリカで原則40クレジットを獲得していれば、自分の米国での勤務記録だけで老齢年金を請求できます。
また、40クレジットに届いていなくても、日米社会保障協定によって日本の年金加入期間を合算し、受給資格を満たせる場合があります。米国側でこの制度を利用するには、少なくとも6米国クレジットが必要です。Social Security
ただし、日本帰国後は、
- どの口座で受け取るか
- 日本とアメリカの税金
- SSAへの住所変更
- アメリカの銀行口座を残すか
なども考えておく必要があります。
この記事では、日本へ帰国した後のSocial Securityについて、できるだけ分かりやすく解説します。
まず結論|日本帰国後もSocial Securityは受け取れる
日本へ帰国したからといって、これまで積み上げたSocial Securityの記録がなくなるわけではありません。
受給資格を満たしていれば、日本に住みながらアメリカのSocial Securityを受け取ることが可能です。
つまり、
アメリカで10年働いた
↓
40クレジットを獲得
↓
日本へ帰国
↓
受給年齢になったら日本から請求
ということができます。
日本は米国Social Securityを海外で受け取れる対象国です。Social Security
何年働けばSocial Securityを受け取れる?
アメリカの老齢年金を自分の勤務記録だけで受け取る場合、基本的には40クレジットが必要です。
Social Securityのクレジットは、一定額以上の給与や自営業収入があり、Social Security taxを納めることで獲得します。
1年間に獲得できるのは最大4クレジットです。
そのため、
40クレジット ÷ 年4クレジット = 約10年
が一つの目安になります。
ただし、1クレジットを獲得するために必要な収入額は毎年変わるので、
「10年間アメリカに住んでいた=必ず40クレジットある」
という意味ではありません。
自分のクレジット数はSSAのオンラインアカウントで確認しておきましょう。
例えばアメリカで10年働いたらどうなる?
例えば、
- アメリカで10年間勤務
- 毎年4クレジットを獲得
- 合計40クレジット
になっていれば、通常は米国の勤務記録だけで老齢年金の受給資格を満たせます。
その後、日本へ完全帰国したとしても、受給年齢になれば日本から請求できます。
ここはSocial Securityと401(k)の大きな違いでもあります。
401(k)は自分の資産を積み立てる企業年金制度ですが、Social Securityは現役時代の勤務・納税記録をもとに受け取る公的年金です。
👉 アメリカの401(k)とは?日本人向けに仕組み・会社マッチ・帰国時の扱いまでわかりやすく解説
40クレジット未満でも諦めなくていい
例えば、
アメリカで7年しか働かなかった
という場合、通常は40クレジットに届きません。
しかし、日本とアメリカには日米社会保障協定があります。
この制度によって、アメリカの加入期間と日本の年金加入期間を合算し、受給資格を判断できる場合があります。
SSAの案内では、米国側のTotalizationを使うには少なくとも6米国クレジットが必要です。Social Security
例えば、
- アメリカ勤務:7年
- 日本の年金加入:20年
といったケースでは、日本の加入期間を使って米国側の受給資格を満たせる可能性があります。
ただし、日本の加入期間を足したからアメリカの年金額が日本の分まで増える、という意味ではありません。
米国から受け取る金額は、基本的に米国での勤務実績に応じて計算されます。協定による受給の場合は、米国での加入期間に応じた部分給付になります。Social Security
日本の年金とSocial Securityは両方もらえる?
はい、条件を満たせば、
日本の年金+アメリカのSocial Security
の両方を受け取れるケースがあります。
日米社会保障協定は、
どちらか片方しか受け取れない制度ではありません。
各国がそれぞれの制度に基づいて受給資格と金額を計算します。
つまり、
- 日本で働いた期間 → 日本年金
- アメリカで働いた期間 → Social Security
というイメージです。
Social Securityは何歳から受け取れる?
Social Securityの老齢年金は、通常62歳から受給開始できます。
ただし、62歳から受け取ると、満額受給年齢より前になるため、月額は減額されます。
一方で受給開始を遅らせると、70歳まで月額が増える仕組みがあります。
例えば、
- 62歳で日本帰国
- まだ日本で働く予定
- 当面は生活資金に余裕がある
という人なら、すぐ受給せず遅らせる選択肢もあります。
逆に、
帰国後すぐ生活費として必要
なら早めに受け取る選択肢もあります。
ここは「何歳が絶対に正解」というものではありません。
日本でどうやって受け取る?
日本へ帰国後は、主に2つの方法を考えられます。
① 日本の銀行口座で受け取る
SSAは、対応国では海外の金融機関への電子振込に対応しています。日本も対象となり得ます。Social Security
そのため、条件を満たせば日本の銀行口座で直接受け取る方法があります。
この方法なら、
アメリカの銀行口座を年金受取専用に残さなくても済む
可能性があります。
② アメリカの銀行口座で受け取る
もう一つは、
Social Security → 米国銀行口座 → 日本へ送金
という方法です。
ただしこの場合は、帰国後もその銀行が海外住所の顧客を受け入れてくれるか確認する必要があります。
銀行によっては、日本住所への変更後に一部サービスが制限されることがあります。
住所を変更せずに使い続けるのは避けた方がいいです。
WiseはSocial Securityの受け取りに使える?
ここは少し注意が必要です。
WiseをSocial Securityの直接受取口座として使えるかどうかは、SSA側とWise側の最新条件を確認する必要があります。
そのためこの記事では、
「Social SecurityをWiseに直接振り込める」
とは断定しない方が安全です。
ただし、例えば
Social Security → 米国銀行口座 → Wise → 日本の銀行
という送金ルートでWiseを使う方法は考えられます。
Wiseは、
- 米ドルから円への両替
- 日本の銀行口座への送金
- 為替レートや手数料の確認
がしやすいので、帰国後の資金移動手段の一つとして知っておく価値があります。
👉Wiseに関してはこちら
Wiseとは?アメリカ在住日本人向けに使い方・手数料・メリットをわかりやすく解説
※Wiseの利用条件・送金手数料・対応通貨は変更されることがあるので、利用前に公式情報を確認してください。
毎月送金する?まとめて送る?
アメリカ口座で年金を受け取る場合は、
毎月日本へ送金する必要はありません。
例えば、
- 毎月送金
- 3か月に1回
- 半年に1回
など、自分の生活費に合わせて考えられます。
少額を毎月送るより、ある程度まとめた方が送金コストを抑えやすい場合もあります。
一方で、為替は変動するので、
「必ずまとめた方がお得」
とも限りません。
日本帰国後の税金はどうなる?
ここはかなり重要です。
Social Securityを日本で受け取る場合、
受給資格の問題と税金の問題は別です。
日本の税務上の居住者になった場合、海外から受け取る年金が日本で課税対象になる可能性があります。
また、
- アメリカ市民
- グリーンカード保持者
などは、日本へ帰国後もアメリカで申告義務が残る場合があります。
さらに、
- 他の年金
- 配当
- 株式売却益
- IRA
- 401(k)
などがあると、税務はさらに複雑になります。
👉 IRAについてはこちら
IRAとは?Traditional IRAとRoth IRAの違いを日本人向けに解説
👉 米国株の税金についてはこちら
アメリカで米国株に投資したら税金はいくら?
帰国初年度や年金受給開始時は、日米両方の税務に詳しい専門家へ確認するのがおすすめです。
Social Securityと401(k)・IRAの違い
ここは読者が混乱しやすいので、簡単に整理しておきます。
| 制度 | Social Security | 401(k) | IRA |
|---|---|---|---|
| 種類 | 公的年金 | 企業年金 | 個人退職口座 |
| お金の元 | Social Security tax | 自分+会社 | 自分 |
| 受給・引出し | 受給資格に基づく | 自分の残高 | 自分の残高 |
| 日本帰国後 | 条件を満たせば受給可能 | 原則資産は残る | 原則資産は残る |
| 税金 | 日米確認が必要 | 引出時など要確認 | 種類により異なる |
つまり、Social Securityは、
「自分で積み立てた口座のお金を取り崩す制度」ではありません。
ここが401(k)やIRAとの一番大きな違いです。
帰国前にやっておきたいこと
帰国が決まったら、最低でも以下は確認しておきましょう。
- SSAで自分のクレジット数を確認
- 将来の見込み受給額を確認
- 日本の年金記録を確認
- アメリカの銀行口座を帰国後も維持できるか確認
- SSAへの住所変更方法を確認
- SMS認証や電話番号の変更方法を確認
- Social Security Numberや過去のW-2を保管
- 送金方法を決める
特にアメリカの金融機関では、ログイン時にSMS認証が必要な場合があります。
帰国後に米国電話番号が使えなくなってから慌てないように、
認証アプリが使えるか、日本の電話番号へ変更できるか
も確認しておくと安心です。
まとめ|まずは40クレジットあるか確認しよう
日本へ帰国しても、条件を満たしていればアメリカのSocial Securityは受け取れます。
重要なのは、
「日本に帰国するかどうか」よりも、「受給資格を満たしているか」
です。
まず確認したいのは、
40クレジットあるかどうか。
40クレジット未満でも、日米社会保障協定によって日本の年金加入期間を使える可能性があります。Social Security
そのうえで、
受取口座 → 送金方法 → 税金 → 銀行・電話番号
の順で整理していけば分かりやすいです。
日本帰国を予定している人は、Social Securityだけでなく、401(k)・IRA・米国銀行口座・証券口座もまとめて整理しておくと安心です。

Comments are closed